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その後の可能性をじっくり考えて欲しい ばんえい競馬存廃問題



ばんえい競馬が、存廃に向けて重要な局面に立たされています。

北海道新聞の記事1
北海道新聞の記事2

北海道の重要な文化である、「ばんえい競馬」。興業としてのばんえい競馬なくして、草輓馬などの祭典文化を維持できるか、馬具や道具の生産が事業としての輓馬が成り立たなくなった後も存続しうるのか、それは僕にもわかりません。

しかしそれでも、プロのばんえい競馬ではなく、別の形としてのばんえい競馬が残れば、それでやむなしということなのではないか、そういう議論が出ています。賛成はとても出来ないですけどね。
ひとつ主張したいのは、現在のプロの「ばんえい競馬」という形態が、競馬文化ではない、という論理の飛躍をするのは間違っているという事です。関係者の皆さんには、厳しい状況ではありますが、「世界で唯一の競馬文化」の担い手としての誇りに、疑問を持たないでほしいし、疑問を持つ事は無いと思います。

広辞苑を引くと文化とは
「人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果。」
とあります。

ただ、「競馬は文化だ、文化ではない」という風に「文化」使う場合は、この意味ではしっくり来ないものがありますね。むしろ、「競馬は低俗だ、低俗ではない」という言葉を、少しマイルドにした感じの意味を含んでいる、って感じています。なんとなく、そこに公営ギャンブルに対するステレオタイプに裏打ちされた安っぽい悪意を感じますし、だから、安易に「競馬は文化ではない」と書いてしまうのは承服できないのです。

よく知られているように古来から競い馬の風習はあった日本、明治に生まれた祭典競馬が各地に波及した経歴、馬券禁止時代も乗り越えて残った事、等々を勘案すると、日本でも競馬が人々の心に入り込むような娯楽として、「物心両面の成果。」を実現した文化であると思います。
古くからあった、馬を用いて競い合う文化が、資本主義社会、現代社会の中で、今日的な文化として続いていくためにとっている形態が、公営ギャンブルという形であり、つまり、プロの競馬は、競馬文化の今日的形態といえるのだと思います。


しかし、競馬の文化性と、経営的な問題は、慎重に論じないとおかしな事になる気がします。担い手には文化としての誇りを高く持って欲しいですし、経営には文化であることに甘えて欲しくない、文化の面白さは迷走し混沌とした中からこそ生まれるものであるのにたいして、経営は混沌としてはいけません。

結局は、文化であると言える演劇や芸能の世界だって、経営は商売を成り立たせなければいけないのと同じことかなぁと思います。
経営側は、文化性を利用し喧伝しそれを伸ばすことで経営改善をする努力は当然戦略的に考えてするべきです。しかし、経営失敗の責任を「文化性の無さ」という安易だが重大な影響力を持つ言葉に逃げたり、「文化である」という言葉に甘えてはならないという事だと思います。

それは、僕らファンも同じ、「競馬は文化だ」と思い、気分を高めて競馬を見ることは、けして恥ずかしいことではないのではと思います。そして、その経営手法やレース運営に対して、はたまた自分の馬券収支に関して、冷徹に評価するのは、本来の言葉の意味から考えても、別に文化性を否定しないで出来ることなんだと思うんです。


存続を求める具体案を求められている時に、「文化文化」と連呼するだけでは、他の理解は得られません。
以前、「北海道の馬文化」展を見に行った時、そこの学芸員は「北海道の馬文化とはプロの競馬のことではない」と言いました。「民俗学上、生活の中で生まれた祭典輓馬が馬文化なのです。プロの輓馬は鞭なんか使ったりして残酷でしょ」、なんて説明してました。
そうした世間に認識がある中で、「ばんえい競馬文化」を残していくためには、税金の保護に頼らないでいい経営状況と経営形態をとらなければならないのです。

色々な方の話を聞き、資料を読む中で、おぼろげながらではありますが、プロとしてのばんえい競馬文化無しに、輓馬文化総体の継続はありえないという確信を得つつあります。しかし、それを説明しても理解を得にくい現況の中、この文化を未来へ伝えるためには、経営的な赤字リスクの軽減化しかありません。


大幅な、経費削減策を打ち出した「帯広案」は、非常に厳しく賞典費等を削減し、各所に血を流す内容です。売上目標もさほど高いものでは無いように感じます。
例えば、一日の平均売り得金見込みですが、帯広案では7449万を見込んでいます。苦戦だった今年の岩見沢の平均売得金は8411万、帯広の昨年度は9972万です。今期の岩見沢一日平均の11%減の7449万の見込み、25%減の一年の売得金見込みは、達成不可能と断じるような数字では無いようにに感じます。この点については、岩見沢市の反応は少し厳しすぎかなぁと言う気がします。ただ、ナイターや三連単導入といった、インフラ整備に頼った振興策しか出ていないところには、不安を感じるのかもしれません。

僕は、この分野にさほど詳しいわけではありませんが、某巨大掲示板のばんえいスレッドには、公益法人設立や包括的な民間委託による、経営の抜本的な改革案を再建案に盛り込むべきだという議論がありました(391~)。その中には、「自治体の赤字負担リスク低減策」も含まれているようです。また、問題はありつつも、その基金を集める方法についてもアイディアが出されていました。その細かい内容は検討する必要がありますが、その方向性、思考の前向きさを学ぶべきだなぁと思ってみていました。

色々見聞きしつつ、経営的にも、効率化しより良い経営が行えるよう改革していくやり方は、マダマダあるのではという事を感じています。なにより、ばんえい競馬には世界で唯一なだけに、成長する可能性があると感じています。この数年で、僕の周りの輓馬文化の無いところに育ったものが、どれだけばんえいファンになったか。ばんえい競馬が持つ力を、実感しています。

無くしてしまっては、その可能性は限りなく0になります。文化としての成長、経営としての利益、観光や諸産業への波及、色々な可能性が0になるのです。素人の推測ですが、好況と聞く食肉市場だって、ばんえい競馬向き需要が無くなる事で生産が過剰となり、価格が急落したりする事もあるのでは、と危惧します。
「廃止」という取り返しのつかない結論を出す前に、存続後廃止後に起こりうる可能性、そして将来の可能性を、ジックリ検討して欲しいと思います。ファンとしては、「存続」という英断を期待してやみません。


上記スレッドに出てくる事柄の参考サイト
Glas Cymruについて
英国民間非営利水道会社が示唆する「第3の道」

浜松オートの包括的民間委託について
浜松オートは事業経営健全化に取り組んでいます。



最後に僕自身について。
このブログを初めて二年になりますが、この間、色々な楽しみを深めることが出来て、個人的にはとても幸せに思っています。その中の最たるものが、北海道にある世界で唯一の競馬、「ばんえい競馬」の迫力と楽しさに触れることが出来たことです。

参考 写真つきレポート

ばんえい記念ペガサス三連覇
ばんえい北見競馬訪問記


直線二百メートルを重いそりを引き、二つの山を越え、その速さを争うという、単純明快な競技ながら、奥の深い技術、奥の深い予想要素、そして何より、単純明快なだけにストレートに伝わってくる迫力、何度か現地でばんえい競馬を観戦するうち、僕はすっかり虜になったものでした。

そしてなにより、一年に一度の大一番!1000キロのそりを引く余りにも過酷なレース「ばんえい記念」。5分近い時間をかけ、一歩ずつ前に進んでいく輓馬達の姿、輓馬を励ます騎手の気合、そしてそれを自分がそりを引いているように体中に力を込めて応援し声援を飛ばす観客。
競馬場全体を包む、余りにも熱い空気に、思わず目頭が熱くなってしまい、レース終了後に涙を隠すのに懸命になってしまう、そんな経験もしてきました。

遠くに住んでいますが、僕はばんえい競馬が大好きです。存続し赤字となれば、地元自治体に負担がかかる、そのリスクを背負わない者が存続を訴える事の心苦しさは当然感じています。しかし、僕はばんえい競馬が好き、とても切ない気持ちです。

少なくとも、ファンのすることではないかもしれないですが、無い知恵を絞って、地元の方に迷惑をかけなくて良い方法を考え、ばんえい競馬振興策を考え、ブログに書き、そして皆さんにもばんえい競馬の魅力を訴える、それは、しないではいられません。
それをファンとして行う事で、何か生まれる事を願って…。


P.S.
週末に北見に行ってきます。最後だから、という気持ちではなく、北見競馬をいつもの通りに楽しんできたいなぁと思います。






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参考リンク

岩見沢市ご意見メール
帯広市メールアドレス
ezoree@city.obihiro.hokkaido.jp
旭川市メールアドレス
kikaku@city.asahikawa.hokkaido.jp
北見市市長へのポスト!
http://www.city.kitami.lg.jp/024/form_koekiku.html
| landslider | comments (2) | trackback (14) | 地方競馬::ばんえい |
コメント
>劇場さん
返信遅くなって申し訳ないです。半分は某所の再利用なのですが、それでも馴れない記事を書いたので、どっと疲れが^^;

市長が論拠を持ってするならば、それはとても重い決断でしょうし、納得する事は出来ませんが、選挙権を持たない遠くのファンは批判をする方法を持ちません。
しかし、その前に、決断が下ってからでは難しいでしょうから、今のうちに個人の想いを意見表明をしておきたいなと思った次第です。

買うことと書くことしか出来ないから、それはしておこうかなぁと。

現地で頑張られている皆さんには、心から感謝し敬意を表し、出来うる限り協力できればと思います。
| landslider | EMAIL | URL | 06/11/23 16:47 | 8uqvVeBo |
北見、気をつけて行ってきてくださいね~

まあ、それはともかく、自身の記事は今回敢えて客観的に書いてみました。

「存続してほしい」という声は上げることはできても、その上で「撤退」という判断を岩見沢がするならばそれは仕方ないことだからです。

ただ、最終的にどういう結論が出るにしても、岩見沢市長は答申をただ単純に受け入れるのではなく、ちゃんと、自身自らが、客観的に、論理的な根拠を持って結論づけてほしいと思います。

そのことは岩見沢の結論を受けて議論することになるであろう帯広市長も同様なんですが。

私自身は、岩見沢市民の方が声を上げていることですし、私個人としては、市民の方が中心となって、ということであれば、それにできる限り協力はしていきたいと思っています。
| 劇場 | EMAIL | URL | 06/11/23 01:06 | 4YH3P.Qo |
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