全日本タマツバキ記念アラブ大賞典05

福山競馬 風前の灯のアラブ全日本戦レポート

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 2005年五月、福山競馬には激震が走りました。補助金不正受給疑惑による第三回開催の自粛…、しかし、そこにある競馬は他には無い物、そして死力を振り絞って走る馬達とダイナミックなフォームで腕っ節で追ってくる騎手達が見せる迫力を、手が届くほど間近で感じる事の出来る福山競馬の魅力は色あせることなくそこに存在しました。

 そして、6月5日、セイユウ記念アラブグランプリ(金沢)、全日本アラブグランプリ(福山)の廃止で、ついに全国唯一の全日本戦となった全日本タマツバキ記念アラブ大賞典が行われました。

衰退が続くアラブ競馬、せめて今あるアラブ競馬を見届けようという少し寂しい気持ちで現地に向かったのですが、この迫力の競馬場でレースを見ているうち、そんな気持ちは吹っ飛んで、圧倒され、興奮し、感動して帰ってきました。

そんな一日を、写真つきでレポートします。

 朝一番の新幹線で東京をたつと、10時少し前に福山につきます。10時のバスに乗り福山競馬場へ。正門の上にはPOPな絵が飾られ明るい雰囲気です。

 横には、所属騎手の写真が。大体、どの競馬場に行っても同じような掲示がありますが、どこに行っても、もう少し写りの良い写真に出来ないかなぁと思うことが^^;

 中に入ると、多くの方が挨拶で出迎えてくれます。

 福山競馬場では、場内の写真撮影には許可が要ります。警備員さんに場所を聞くと、手続きの場所まで連れて行ってくれました。住所氏名と使用目的を書くと、このようなバッジを貸与してくれます。

手続きの後、1レースまで少し時間があるので、少し周辺を歩いてみることに。

 福山競馬の映像をご覧になったことのある方は、最終コーナーの向こうに斜めになっている壁がある事をご存知だと思います。見方によっては、最終コーナーが上り坂になっているようにも見えるのですが、コースは平坦です。この壁の向こうに回ってみることにしました。

 壁の向こう側はこんな感じになっています。左側が競馬場です。橋に登る道になっているんですね。

 登りきると水呑大橋という橋です。ここを左折すると河川敷に駐車スペースがあります。福山競馬場は、市街と郊外のちょうど境くらいにある感じですね。

橋の上から福山競馬場を望みます。河川敷には駐車場が。以前、車で来たときはここで停めたのですが、もっと正門に近いところにもあるようでした。

 河川敷は景色が素晴らしくとても気持ち良さそうな公園になっています。

 そろそろ戻ろうと橋の付け根まで来ると、下に三コーナー入り口にある輪乗り場を見下ろすことが出来ました。ここからは、バックストレッチを一望できるようになっていて、慌てて先ほどの坂の下にある外向き発売所に走り、馬券を購入して、この場所で1レース観戦することに。

 橋の付け根から、こんな感じにバックストレッチが見られます。すぐ横にはパトロールタワーもあるので、見渡せる位置ではあるのですが、双眼鏡がないとちょっとつらいですね。そしてさすがにここからはレース結果がわかりません。やっぱり、タダ見は良くないということで^^;

 場内に戻り、少し見学してみることに。正門とパドックの間には飲食店があり、気さくなおばちゃん達が元気良く迎えてくれます。ヤキソバがウマイ!

スタンド下には、ステージが設置されていて、コンサート他様々なイベントを行っていました。

 場内にはDJスペースがあり、リクエスト曲なども募集、他様々なイベントも行っているようでした。

ジャンケンプレゼント、カラオケにチャレンジ、勝ち馬プレゼント。関連ページ(福山エース)

 スタンド下には、名馬に記録や重賞の記念品などの展示スペースがあります。

 デビュー戦以来40戦の間、連を外したことが無く、楠賞全日本アラブ優駿、大井で行われていた全日本アラブ大賞典に勝つなど、福山を代表する名馬であるローゼンホーマのパネルです。三月に行われる福山のグランプリレースは、このローゼンホーマの名前が冠されています。

 レビンマサの尾毛で作ったストラップも展示されていました。欲しいけど、多分非売品なんだろうなぁ…。

 とりあえず、馬場に出てコースを見てみます。うわっ、コース近っ!来たの久しぶりで、やっぱりこの馬場の間近さは驚きます。

 パドックも間近です。うわぁ、この距離でスイグンが見られるのか!と、この時からすでにテンションが上がっていました^^;。暖かい野次やメチャクチャ詳しい会話が飛び交っています。

 パドックから振り返ると、二階の窓の下に各ジョッキーの応援幕が張られています。ちょっと死角になっていて、気が付かない人もいるかも^^;
 写真は、デビュー前に廃止になってしまい幻の益田ジョッキーとなってしまった山田騎手の応援幕です。

 パドック後ろにある階段を上がっていくと、装鞍所がちょっと見えます。

 使われなくなってしまった(?)オッズ表示板。意外に人気者で、写真を取っている人が結構いました。きっと、それだけ遠方からタマツバキ記念を観戦に来た方が多いって事でしょう。

 レースとレースの合間、パドックではファンサービスとして誘導馬とジョッキー達による記念撮影会が催されていました。子供はジョッキーが自ら抱いて騎乗させてあげていました。このファンサービスはすごいですね。思い出に残りそうです。

 さて、本場場入場、誘導馬を先頭に多くの馬が行儀良く入場してきます。

 誘導馬はしばらく進むとこのように馬場の真ん中に静止します。見事なほど「静止」です。そして、誘導馬を中心にして出走馬はその周りをぐるッと回り、返し馬に入って行きます。

 しかし、馬場が間近です。ゴール地点から賞典代までは間に通路があって、やや離れているのですが、そこから4コーナーまでは側溝一つ分あるのみです。

 観戦スペースの端まで行くと、スタートも間近に見ることが出来ます。写真でもわかりますが、飛び出す馬、よれる馬、煽る馬、それを見事な腕で御していくジョッキーたちの手綱捌き、迫力です。

 手が届きそうな所で先行争いが繰り広げられます。

 少し、ゴール側に移動して、直線の叩き合いを見るとこんな感じです。腕っ節でダイナミックに追ってくる姿の迫力、是非、一度生で見て欲しい気がします。

 お腹がすいてきたので、食堂を探しにスタンド内へ。4コーナーに一番近いスタンドの上階にはミリオンターンというレストランがあります。ビーフステーキセット800円って安っ。

 でも、なんか、ご当地っぽいものが食べたいなぁと歩いていると、尾道ラーメンのお店がありました。

 シンプルで美味そうでしょ^^。美味いです。

 お腹も満足してパドックに戻ろうと歩いていると、こんな張り紙が。ぜひ、白熱したレースを期待したいですね。ファンが求めるものは、一番はそれなわけですし。

 先ほど紹介したDJブースにこんな告知がありました。HPでも有名な福山エースの樋本さんのレース解説イベントがあるようです。福山エースのサイトは、見所たっぷりで、必見のサイトですよ!

 すごい、情報満載のイベントで、砂は入っているのだが時計が出ていて先行有利とか、メイユウオライオンの熱発の話とか、予想に貴重な材料を提供していました。

 佐藤徳子騎手です。

 

 そして、いよいよ唯一の全日本戦、アラブ最強馬決定戦、タマツバキ記念の時が迫ってきます。パドックに出てきた一流アラブの姿は、まさに「逞しい」という感じでした。僕の写真で、その逞しさがどこまで伝わるか不安ですが、一頭一頭紹介します。

 ミスターハヤブサです。上山デビューで笠松のアラブギフ大賞典を2勝しています。アラブギフ大賞典は今年は行われないようで、その最後の勝ち馬となってしまいました。

 かつてのアラブの聖地、兵庫から参戦のゲンキガイチバンです。昨年、三歳日本一決定戦の全日本アラブグランプリに遠征し5着でした。

 逃げ馬ラピッドリーランです。重賞2勝。

 高知から挑戦、エスケープハッチです。お正月の高知市長賞で、怪物マルチジャガーを破ってから破竹の連勝中。パドックでは、ちょっとチャカツキ気味です。

 ヤスキノショウキです。昨年の全日本アラブグランプリではマルチジャガーの2着に入った期待の一頭です。

 エムエスオーカンです。名古屋からの参戦。ニ走前に、サラダートG馬に重賞で勝利した実績を持つ怪物アラブ、キジョージャンボに勝利し、前走は名古屋伝統の重賞名古屋杯も勝利して、このレースに参戦です。

 そして、いよいよ真打登場!現アラブ最強馬、スイグンです!
全日本アラブグランプリ、全日本タマツバキ記念アラブ大賞典、セイユウ記念アラブグランプリと、全日本のタイトルを総なめにしています。連覇をかけてのレースです。

 次代のエース候補か?とも目されているメイユウオライオンです。福山大賞典でスイグンを破り、その後、福山マイラーズカップも勝利しましたが、40度近い熱発で3ヵ月半の休養を余儀なくされ、馬体重が休養前の状態にまだ戻ってきていません。それでも、この肩!この腿!

 アポロセンスイです。この馬も逃げ候補の一頭。瀬戸内賞でマルチジャガーを破っています。

 ユキノホマレです。重賞5勝、金沢の03年セイユウ記念アラブグランプリではマリンレオの2着に入っています。復調すれば怖い実績馬。

 そして、唯一となったアラブの全日本戦に挑むジョッキーたちが登場です。白い壁の前に整列します。

 高知の西川騎手、黒船賞でノボトゥルーに騎乗したのでご記憶の方も多いでしょう。とても引き締まった良い表情をされていました。

 

 そして、福山の重賞の高揚感あふれるファンファーレが流れ、いよいよスタートです

レース映像は、こちらでご覧ください。

 レース中の写真、僕は興奮してしまってこれしかありません^^;。スイグンはがっちり外目2番手についています。結果は、スイグンが最強馬の貫禄を見せ付ける圧勝、高知のエスケープハッチは、かなり離れた後方待機策から外埒の近くを追い込んで、着外ではありますが三着グループと差のないところまで着ました。外埒の近くを追い込んできたので、目の前を通り過ぎていった迫力に、ドキドキしてしまいました^^

 余韻に浸っていると、スタンドの一番端のほうから歓声が上がっています。見ると、カメラを構えたファンが沢山集まっていました。もしや、と思って駆けつけてみると、そこから検量所がちょっと見えて、レース後でも元気一杯のスイグンが誇らしげに歩いていました。

 口取り式は、ホッカイドウ競馬サポーターズクラブで、スイグンを指名しているらしい方々も参加されていました。写真撮影の後、ファンの方を向いて写真を撮らせてくれました。スイグンは、王者の風格が漂い、タダ一言「カッコいい…」。見惚れてしまいました。

 賞典台は、柵が低くとても明るい雰囲気です。観客の中のおじさんが「わしゃ、片桐の花束貰うんじゃ」と、大張り切りだったのがちょっと印象的^^;

 勝利ジョッキーの片桐騎手は、ファンのサインや握手の求めに応じられていました。

 高揚感が収まるまもなく最終レースが始まります。セイユウ記念アラブ大賞典はじめ重賞11勝、アラブ最強馬として一時代を築いた事のあるワシュウジョージが出走していました。

 名残惜しくはありますが、日帰りの慌しい旅、福山を離れます。新幹線の駅からは、福山城が見えます。

 福山に行ったキッカケは、このフラッシュを見たからでした。風前の灯のアラブ、その最強馬達の体の中には、まさに地方競馬の歴史そのものといえる血が流れている、その価値を再確認させられる作品でした。
 そして、その事実を時代の流れとして受け止めなければならないとしても、その残り少ない戦いの場を見届けたいと思いました。

 この日、僕は、その迫力に圧倒され、スイグンの強さに驚き、歴史的な場面に立ち会った感動を味わいました。そして、この熱い競馬場でのレースを多くの方に見てもらいたいなと思いながら、福山を後にしました。

 このフラッシュの最後のメッセージのように、来年も「福山で逢いましょう」

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